HARDWARE 冷却編1 |
|
ヒートシンクの強化 | ||||
クロックアップを行ったCPUからはノーマルの状態より多くの熱が発生します、そこでノーマルのヒートシンクを効率よく放熱できるように強化します。
まずはCPUカバーに200mm×100mm×0.5mmのアルミパネルを熱伝導性接着剤転写テープ(住友3M TCATT)を使って張り付けます。 アルミパネルにはパンチ加工をした製品もありますがいろいろ試した結果ではパンチ加工をしていないアルミパネルのほうが効率いいいようです。 アルミパネルだけでも放熱効率は向上しますが、さらに放熱効率を上げるためにはヒートシンクブロックの交換も行います。 ヒートシンクブロックはCPUカバーに両面テープで接着されていますがカバーにヒートシンクブロックが密着していないため、追加したアルミパネルに熱が効率よく伝導しません。 そこでこれを65mm×50mm×5mmのアルミブロックに交換します接着には先程の熱伝導性接着剤転写テープを使います。 最後に強化したヒートシンクブロックとCPUを密着させるためにゲルシートを使いますSIGEL COH-1000(ラムダ ゲルシート)などが入手し易いです、CQFPパッケージのCPUを使っているカードでは1mm厚、BGAパッケージのCPUを使っているカードには2mm厚のゲルシートが最適です、またゲルシート(1mm厚)をキーボードとアルミパネルの間に入れることによって放熱効率を高めることができます。
ヒートシンクの画像はこちらです。 ヒートシンク 、 ヒートシンクブロックのアップ |
冷却ファンの増設 |
より高い周波数にクロックアップしてCPUを動作させた場合、強化ヒートシンクでも放熱がまにあわずCPUが熱によるハングをおこします。
そこでファンの内蔵を検討してみたのですが冷却ファンの内蔵を考えて設計されていないPowerBook500シリーズにはファンを内蔵するための適切な場所がありません ヒートシンクブロックの代わりにファンを内蔵する方法も考えられますがファンからの排気を外部に出すためのスリットがないのが問題です。 いろいろ考えた結果、外部SCSIコネクタの場所にファンを内蔵することにしました、ここにファンを内蔵すると当然外部SCSIは使用できなくなります、幸いセカンドマシンのPB550cがあるのでインストールの際などはハードデイスクを移して対応することにします。 写真は20mm×20mmのファンをマグネシウムフレームに取り付けたところです、マグネシウムフレームはファン取り付け用の穴を空けてから排気用の部分を確保するため大きく金ノコでカットします、ロジックボードのシールドもこの位置に合わせてカットします、この状態で組み立てると元外部SCSIコネクターがあった部分がちょうどファンの排気口になります。 ファンを取り付ける前のマグネシウムフレームの画像はこちらです。 マグネシウムフレーム |
ヒートシンクの強化 & ファンの増設 |
限界ぎりぎりまでオーバークロックしたCPUでは高負荷の状態が数時間続くと冷却ファンを装備していても、熱によるハングが発生しました。
そこで、CPUからの熱をさらに効率よく放熱するため冷却システムを根本から改良します。 まず、ドーターボードの右側の部分のマグネシウムフレームをヒートシンクをセットするスペースを確保するためにカットします。 また前回開けた、ファンの排出部分のマグネシウムフレームも空気抵抗が減るように丸く削ります。 続いて大容量のヒートシンクを新たに製作します、材料は200mm×100mm×3mmと200mm×100mm×2mmのアルミ板、2mm×20mmネジとワッシャーです、 本当はアルミより銅のほうが冷却効果が高いのですが加工が面倒なのでアルミにしてます。 ヒートシンクの固定はフロッピーディスクドライブを固定していた金具を平らに加工して流用します。 (サイズ等に関しては下の写真を参考にして下さい) |
冷却ファンも強力なNIPPON KEIKI製のファン(DC5V 0.04A)を見つけたので交換しました、モーターは三相構造で強力ですが意外と低消費電力です(音はちょっとだけうるさい)、このファンは定格5V入力ですが試しに9Vを入力したら、パワフルに動作したのでまだ期待できそうです。
最後に、リヤパネルを閉じている状態でファンが回っていても無意味なので、閉じたときにモーターを停止するマイクロスイッチをモデムポート付近にセットします。 各部のアップ画像はこちらです。 排出口 & リヤパネルスイッチ、吸入口 |
各種改造は個人の責任のもとに行って下さい。改造により発生した事故,故障などに対し Attic or Garret は一切の責任を持ちません。また各種改造を施したPowerBook,または周辺機器は,各種保険及び保証を受ける権利を失います。
Attic or Garret 中の各記事,写真及び改造法を著者に無断で転載あるいは商業目的で利用することを禁じます。 Copyright (C) 1996-2001 Itoi.All Rights Reserved. E-Mail: vr-4@powerbook.org |
|
|