MSXは、1983年6月にMicrosoftとASCIIが提唱したコンピューターの規格です、ちなみにMSXはMicrosoft-Xの略です(他にも諸説あるようです)
この規格に国内の大手家電メーカーが賛同して、多くのMSX規格のパソコンが作られました。MSX規格で作られたソフトウェアと周辺機器は、基本的にはどのMSXパソコンでも動作します。 今ならWindowsがインストールされたパソコンならどのメーカーのパソコンでも同じソフトウェアが使えることが当たり前ですが、当時のコンピューターメーカーはそれぞれ独自規格でパソコンを作っていたのでMSXの統一規格は非常に画期的なことでした。 MSXの規格は、1985年5月にMSX2(主にグラフィック機能を強化)、1988年9月にMSX2+(日本語機能を強化)と進化していき、最後に発表された、MSX TurboR規格ではCPUが16Bit化されて処理速度が大幅に向上しました。 大きなProjectとしてスタートしたMSXですが、MSX規格発表の翌月7月15日に発売されたFamilyComputerの登場により、大きな成功を収めることができませんでした。 MSX規格に賛同していたメーカーも次第に撤退していき、Panasonicから1991年11月1日に発売されたFS-A1GTが最後のMSXパソコンとなりました。 それでも、最終的には全世界で400万台以上も販売されたMSXは、今でも、熱心な愛好者によって、新しいソフトやハードウェアが作られています。 80年代のパソコンの中でいまでも活躍しているMSXはとても貴重な存在です。 |
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東芝が1984年に発売したMSXマシンです、アナログRGB出力、プリンタインターフェース内蔵、
RS-232C内蔵(HX-22のみ)などMSX1規格のマシンの中では欲張りな性能です、
おまけにワープロソフトまで内蔵していました(ただし、漢字ROMはオプション)
CMタレントには、今は亡き岡田由希子が採用されてました(合掌)、 写真のモデルHX-21は定価79,800円で発売されました。 |
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1983年にCASIOから発売されたMSX1マシンです、このマシンの特徴はゴム製のキーボードと大きなジョイパッド(カーソルキーはその上)です。
サイズもコンパクトで、まるでゲームマシンのようです、しかも19,800円とMSXのなかでは最安値です。
このMX-10には上位機種にMX-101というマシンがあったのですが、 これにはテレビとの接続をワイヤレスにする、ビデオトランスミッターが装備されていました。 |
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日立のMSX1マシンです、このマシンには大きな取っ手が付いています、 当時の雑誌広告をみると、タレントさん(工藤夕貴)が手に持っている写真が使われていたので、 メーカーとしてはいろいろな所に持っていって使ってほしかったのでしょう、 但し持ち歩くには重過ぎます。 もう一つMB-H2にはテープレコーダ内蔵という特徴があります、一応ステレオ対応です、 MSXパソコンは統一規格であるため、独自性を出すために各社いろいろ苦心していたようです、 MB-H2は定価79,800円でした。 |
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1983年にCANONから発売されたMSX1マシンです、この当時はCANONもパソコン事業に進出していました。 このマシンの特徴はとにかく目立つ特大のカーソルキー、 後はカメラメーカーらしくCANONのカメラと接続できたことです(別売のアダプターが必要、当時のカメラなのでデジカメではありません) RAMは64Kとフル実装されています、定価は64,800円でした。 |
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ソニーが発売した高機能、低価格のMSX2マシン、このマシンの登場によってMSXユーザーは増えていきました。 新機能としてはスピードコントローラーというコンピューターの動作速度を無段階に調整できる装置がついています。 1986年10月に32,800円!で発売されました。 |
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ソニーのMSX2マシンです、当時ソニーはアナログRGBに力を入れていたので、 このマシンにもアナログRGB(21pin)が装備されています。 今でもソニーはアナログRGB(21pin)の規格をPlayStationに採用しています。(別売のケーブルが必要)、 HB-F5は本体価格84,800円で発売されました。 |
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初音ミクのブームでDTMが再び脚光を浴びていますが、
その原点ともいうべきYAMAHAのMSX2パソコンがCX7です。
FM音源、MIDIインターフェースの拡張が可能などYAMAHAらしく音楽関連に特化しています。
YAMAHAのキーボードDX7との接続も可能となっておりCX7のデザインもDX7のブラックとグリーンを基調としたカラーに合わせて統一されています。
(初音ミクの衣装はDX7がモチーフになっているそうです)
当時YAMAHAは音楽関連の販売チャンネルではCX、 パソコン関連ではYISとブランド名を分けていました。 製品のデザインは異なりますが内容は同等です。 | |
FM音源、MIDIインターフェースの拡張には SFG-01/05 が必要です。 恐らくFM音源が最初に搭載されたパソコン用機器だと思います(FM音源の開発元はYAMAHA) SFG-01/05の内蔵音源チップはYM2151(OPM系 FM音源8和音)を使用しています。 NECがSR系から採用したFM音源はYM-2203(OPN系 FM音源3和音+PSG3和音)となります。 (SFG-05のみFDとの共存可能、MIDI音源の外部からの制御可能) SFG-01/05はMSXの共通スロットではなくYAMAHA専用のスロットのみに拡張できます。 (ビクターのYAMAHA製OEMマシンも利用可能、UCN-01を利用すれば他のMSXでも利用可能) |
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Victorが発売していたMSX2マシンです、キーボード分離型のセパレートボディもかっこいいのですが、このマシンには他のMSXマシンにはないような大幅な拡張がなされています。
まずはマルチメディアへの対応です、現在のパソコンでも標準装備されていないスーパーインポーズ、
画像取り込みが可能になってます、さらにVHD(レーザーディスクの対抗馬、現在は消滅)インターフェィスを追加するとこによりVHDのコントロールも可能でした。
そしてHC-95のもうひとつの特徴はCPUにZ80の上位CPUであるHD64B180を採用していることです、 これにより通常のMSX2の2倍以上のスピードで動作させることができます(TurboMode使用時)。 HC-95は1988年6月に198,000円で発売され、MSXとしては長期間の1992年12月まで生産されました。 そのため、初期タイプ(A)と後期タイプ(T)などいくつかのバージョンが存在します。(写真はT) |
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FS-A1STはPanasonicが1990年10月に発売したMSX turbo-R規格のマシンです、
MSX1の仕様発表(1983年6月)から7年経って発表されたMSX turbo-R仕様では、
CPUに専用開発のZ80上位互換のR800が採用されました。
R800は外部のデータバスこそ8ビットですが、内部は16ビットとして設計され、
同一クロックのZ80と比較すると5倍以上のスピードで動作可能でした。
1990年はIntel486DX(50MHz)が存在していた年でもあって、 国内では8Bitマシンの主流であったPC-8801シリーズも既に開発を終了し、 PC-9801シリーズがパソコンの主流になっていました。 このような状況で登場したFS-A1STは、メインの購買層のターゲットも定まらず、 結果的に、FS-A1STのマイナーチェンジ版であるFS-A1GT(1991年11月)の発売を最後に終焉を迎えてしまいます。 もっとFS-A1STの登場が早ければ状況は変わっていたかもしれません。 FS-A1STの発売価格は87,800円、機能を考えれば仕方ありませんが、 この頃の一体型MSXマシン(シングルドライブ)は低価格路線が定着していたので、 高額の部類になります。 1年後に発売されたFS-A1GTはメインRAMが倍の512KB、MIDIの内蔵、MSXViewのROMへの内蔵 など強化して、ちょっと高い99,800円で発売されました。 … MSXパソコンの終焉は8Bitパソコン繁栄の終わりを示す象徴的な出来事だったのかもしれません。 結果的にMSXの描いていた世界は、IBM互換機とMicrosoft Windowsによって実現されたように思います。 Microsoft Windowsによるパソコンの利用環境の統一は利用者としての利便性は感じられても、 強烈な個性を放つパソコンが見れなくなってしまったことは、とても寂しく感じます。 |
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