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日本最初のパソコン | SEIKO 5700



 
久しぶりの更新です、今回は日本で最初の市販パソコン(完成品として)と呼ばれている、精工舎 SEIKO 5700の紹介です。
このマシンはホームページを読んでいただいた方からの情報で購入することが出来ました。
この場を借りてお礼を申し上げさせて頂きます、ありがとうございました。

正直、初めて見るマシンなので詳細が分かりません、Web上でもほとんど情報がなく画像も見ることが出来ません。(検索結果ではTimeMachineがトップに表示されました…)
 
発売は1977年8月(昭和52年)、使用言語に当時のパソコンでは主流だったBASICではなく科学技術計算向けのフォートランを採用しているので、SEIKO 5700は市販パソコンと言っても一般向けではなく、研究用途だったと思われます。CPUは精工舎がintelと共同開発した経緯から、intel製と考えられます。
マシンの状態は30年以上前のものとしては最高の状態を保っていました。蛍光表示管の発光も問題がなく、リードスイッチタイプのキーも良好に動作。マニュアルがないため確認出来ませんが、問題がないように感じます。
マシンのサイズはかなり大きいです、比較のためにノートパソコンを隣に置いてみました。ノートパソコンは2006年製でB5サイズより少しちいさめ、10インチカラー液晶の32Bitパソコンです。
SEIKO 5700はモノクロ1行の蛍光表示管、独自のキーボード、外部ディスプレーの接続端子がなく、表示を補ったであろうプリンターが装備されています。
用途の違いもあるので簡単に比較はできませんが、30年近くの時を越えての両者の性能の差を考えると感慨深いものがあります。
ここで、さらに詳しい情報を得るために分解することにします。
 
開けた瞬間、高級感が溢れる作りにびっくりしました。当時の価格は不明ですが、車が買える値段だったのではないかと予測されます。
システムはモジュールごとに分離されカードラックに収められています。当時のメインフレーム(汎用大型コンピュータ)を彷彿とさせる贅沢な作りです。
プリンターはサーマルタイプのようです、蛍光表示管の隣にある窪みの部分にはカードリーダが装備されていました、恐らくパンチカードかチェックシートの読み取り装置です。
CPUはi8080AがCPUカード上に載っていました。1978年の第2週の製品です、CPUの動作クロックは2MHzですが実際のクロックは不明です。
SEIKO-5700のカードラックによるモジュール分離で得られた汎用性は当時のマシンの中でも最高峰に位置する素晴らしい完成度だと思います。
ただし、パソコンと呼ぶには高価すぎる仕様かもしれません。

謎の多いSEIKO-5700ですが、もし使ったことがある方がいらしたら
情報をお待ちしています。
 
追記:2009/10/06
SEIKO 5700の登場より5年前の1972年に、SEIKO S-500というマシンが発売されていたそうです。 LSIデスクトップコンピュータと呼んでいたようですが、CPUは8008で科学技術計算用途であったことから、 どちらかと言えば計算機寄りのマシンだったのかもしれません。 また、1979年には後継機と思われるSEIKO 5900が登場しています。
どちらも詳細は分かりません。
こちらの情報もお待ちしています。
 
セイコープレシジョンのこちらのページにSEIKO S-500のことが出ています。



内部の写真 (資料として多めに公開)

キーボート側から見た本体内部

蛍光表示管の表示

電源ユニットとプリンターのモーター

電源ユニット内部の巨大なコンデンサー

CPUカード

CPUカード上のintel 8080A


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