1981年9月の発表当時から”パピコン”という妙な愛称で親しまれたマシンです、その独特の色からキーボードはキャラメルキーボードと呼ばれ、ケースはヤクルトを再生して作ったという変な噂もながれました。キーを押すたびにブツ、ブツとチープな音がするのも不思議です。 |
外見はユニークですが、性能は当時のマシンのなかでも先進的で、外部バス装備(ROMカートリッジでプログラム供給可能)、汎用バス装備(ジョイスティック接続可能)、シンセサイザー搭載(8オクターブ3重和音)など、後の家庭用ゲームマシンの祖先のようなマシンです。本体標準価格:89,800円というリーズナブルな価格も魅力でした。 |
PC-6001のグラフィック機能には256×192(2色)、128×96(4色)、64×48(9色)といくつかモードがあり、高解像度になると使用できる色が減ってしまいます。
4色表示のモードがよく使われましたが、AppleUと同じにじみ(色ずれ)を使って256×192で4色を表示するテクニックも使われました。表示した感じは初代ファミコンに似ていますが、ファミコンより劣ります。ビデオ出力とRF出力の両方を装備していたので全ての家庭用テレビにそのまま接続可能です。 PC-6001のもう一つの特徴はサブCPU(μPD-08049 8MHz)を搭載していることです。キーボード、カセットテープのコントロールなどをサブCPUが行うので、メインCPU(Z80A 4MHz)の負荷が減ってプログラムの実行速度が向上します。 |
また、PC-6001には個性的な周辺機器も用意されていました。価格も安く設定されていたのでPC-6001以外のユーザーにも歓迎されました。
代表的な4つの機器を紹介します。 PC-6051 タッチパネル (19,800円) マウスのなかった当時、鉛筆感覚で絵を書く事のできた入力装置です。(分解能は256×256) PC-6022 4色カラープロッタプリンタ (39,800円) 4色のボールペンも利用したプリンターで人間が絵を描くのと同じ要領で紙にプリントします。同じ機構のプリンターは他社の機種でも採用されました。(開発元はアルプス) PC-6006 ROM/RAMカートリッジ (14,000円) 標準16KBのRAMを32KBに拡張、標準16KBのROMも32KBまで拡張可能。 PC-6053 ボイスシンセサイザー (14,800円) 外部バスに装着することで日本語をしゃべらせることが可能になります。(おそらく市販パソコン初) |
PC-6001はそれまでマイコン、パソコン事業をリードしてきたマイクロコンピュータ販売部ではなく家電部門を担当していた子会社、新日本電気(日本電気ホームエレクトロニクス)が開発しています。
同じグループ内でライバル関係となったマイクロコンピュータ販売部のPC-8001、PC-8801に性能面で衝突しないように考慮したため家庭向けの個性的なマシンが誕生したそうです。 |